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治療の知識

2026-08-18

親知らずの抜歯、怖くて当然です。流れと痛みの経過を正直に話します

「痛そうで怖いから、ずっと後回しにしている」という八王子在住の方のお声を、診察室でよくお聞きします。「怖いから放置している」という状況こそ、実は早めに状態を確認した方が選択肢が広がります。この記事では、抜歯当日の流れ・麻酔の効き方・術後の痛みと腫れの経過を、なるべく正直にお伝えします。知ることは、怖さを減らすための最初の一歩です。

「怖い」と思うのは当たり前。親知らず抜歯への不安をほぐすために

歯科恐怖は珍しくない感情です

「歯医者が怖い」と感じることは、決して特別なことではありません。疫学研究を概観した日本歯科心身医学会雑誌掲載の論文(苅部洋行、2022年)によると、強い歯科恐怖を持つ人は一般集団の7.3〜24.3%(平均約12%)にのぼると報告されています[1]。「自分だけが特別に怖がりなのではないか」と感じている方は多いのですが、実際には相当数の方が同様の不安を抱えています。

歯科恐怖症に関する論文(J-STAGE、2023年公開)では「歯科恐怖症、不安軽減、患者対応、コミュニケーション」を主テーマとして取り上げており[1]、不安を持つ患者さんへの対応は現代の歯科医療の重要課題として広く認識されています。

当院では、怖い気持ちのまま来院される方の不安を否定せず、まず現在の状態をきちんと確認することを診療の基本方針としています。診察でも「どんな部分が怖いか」をお聞きしてから治療の方針を説明するよう心がけています。

「全員が抜かなければいけない」は誤解です

親知らずへの不安が増す背景のひとつに、「親知らずは必ず抜くもの」という思い込みがあります。しかしこれは誤りです。

日本口腔外科学会は「親知らずが正常に生えて機能している場合や、奥歯が抜けている場合(ブリッジの土台とする場合)は、一般に抜歯しなくてもよい」と説明しています[2]。

一方で、大阪歯科大学附属病院の口腔外科では「埋伏智歯(歯肉や骨の中に埋まった親知らず)は清掃がうまくできないことで歯肉の腫れや、第二大臼歯との間でむし歯になる等のトラブルを引き起こすことが多いため、抜歯が勧められる」と説明されています[3]。

要するに、状態によって「抜く・残す」の判断が変わります。また、日本口腔外科学会によると、特に親知らず(智歯)では埋伏歯である場合の頻度が高く、しばしば抜歯の必要があります[2]。

当院では、CT・パノラマレントゲンを用いて歯の向き・深さ・神経との距離を確認したうえで、「今抜くべきかどうか」を患者さんと一緒に判断します。「怖いから診てもらえない」という状況を避けるため、まず状態を確認することを目的とした相談もお受けしています。

放置するとどうなるのか

怖いからといってそのままにしておくと、いざ症状が出たときに選択肢が狭まることがあります。

厚生労働省のwebサイトでも「親知らずは10代後半から20代前半にかけて奥歯の一番奥に生えてくる永久歯であり、現代人はあごが小さくなって生えてくる場所が足りずに斜めに生えたり、埋もれたままになったりして、痛くなったり腫れたりすることがある」と説明されています[4]。

無症状の間に確認しておくことで、手術の複雑さや術後のリスクをより小さく抑えられる可能性があります。JR八王子駅南口すぐの当院では、年中無休で相談をお受けしています。まず「状態を知ること」から始めましょう。

抜歯当日はどんな流れ?診察室に入ってから終わるまでのステップ

最初に行うこと——確認と説明

抜歯当日、診察室に入ってすぐに抜くわけではありません。まず術前の確認が行われます。体調・血圧・服薬状況をチェックし、改めてCT・レントゲン画像を確認したうえで手術の流れを説明します。

札幌医科大学医学部口腔外科学講座の解説によると、「下顎骨の中心を下唇に達する神経と血管(下顎管)の近くを下顎埋伏智歯の根尖が走行していることが多く、埋伏智歯抜歯の際には専門的な知識と配慮が必要となる。X線画像で下顎管の近接が確認された場合はCTを用いて根尖との位置関係を精査する」とされています[5]。

当院では歯科用CTを院内に完備しており、下顎の難しい親知らずの場合には三次元的に神経との位置関係を確認します。これにより、抜歯のアプローチ方向・切開の範囲・分割の要否などを事前に計画することができます。「何となく怖い」は、こうした準備の詳細を知ることで、具体的な安心に変わることが多いものです。

抜歯の手順——5つのステップ

実際の抜歯は、おおむね次の手順で進みます。

ステップ 内容 所要時間の目安
①麻酔 表面麻酔→浸潤麻酔(場合により伝達麻酔)の順で行う 約5〜10分
②切開・剥離 歯肉に埋まっている場合は歯肉を切開して展開する 約2〜5分
③骨削合・歯冠分割 骨や隣の歯が邪魔になる場合は専用器具で分割する 状態による
④抜去・掻把 歯を取り出し、抜歯窩を清掃する 約2〜10分
⑤縫合・止血 歯肉を縫い合わせてガーゼで圧迫止血する 約5分

まっすぐ生えており骨に埋まっていない場合は、①〜④がスムーズに進み、処置自体は10〜20分程度で終わることもあります。一方、横向きや深く埋まっている場合は、骨を削り歯を分割する③の作業が加わるため、時間は長くなります。

処置が終わったあとは止血の確認を行い、痛み止め・抗生物質などの処方薬の説明を受けてから帰宅します。

術後の経過——痛みと腫れはいつまで続く?

大阪歯科大学附属病院の口腔外科によると、「抜歯後は当日から2〜3日をピークに患部の痛みと顔の腫れを生じますが、多くは1週間程度で改善する」とされています[3]。

術後の経過の目安を以下にまとめます。

時期 主な症状 過ごし方のポイント
当日〜翌日 麻酔が切れると鈍痛が出始める 処方された痛み止めを服用する
2〜3日後 腫れがピークになりやすい 激しい運動・飲酒・長時間入浴は控える
4〜7日後 腫れが引き始める 抜糸がある場合はこの時期に来院
1〜2週間後 傷口がふさがり始める 強いうがいは避ける

痛みや腫れは身体が傷を修復しようとしている正常な反応です。ただし、1週間以上経過しても痛みが強くなる場合や、発熱・膿のにおいが続く場合は「ドライソケット(抜歯窩が露出した状態)」や感染の可能性がありますので、早めに受診してください。

当院では術後の経過観察に対応しており、状況に応じて翌日の確認もお受けしています。JR八王子駅南口から徒歩すぐの立地で、年中無休のためご都合に合わせて来院いただけます。

麻酔はいつ効く?「注射が痛そう」という心配への答え

麻酔の種類と段階

抜歯の麻酔は「一段階で完了する」のではなく、いくつかのステップを踏みます。

①表面麻酔(ひょうめんますい):まず注射を行う歯肉の表面に塗り薬タイプの麻酔を置きます。これにより、次の注射針が刺さる際の「チクッ」とした感覚が和らぎます。約2〜3分程度おいてから次のステップへ進みます。

②浸潤麻酔(しんじゅんますい):歯の周囲に麻酔薬を注射します。抜歯部位の局所に効かせる最も基本的な方法です。注射後3〜5分ほどで麻酔が効き始め、歯ぐきがしびれた感覚になります。

③伝達麻酔(でんたつますい):下顎の難しい親知らずの場合、下顎の奥の神経幹(下歯槽神経)にまとめてブロックする方法をとることがあります。浸潤麻酔よりも広い範囲・強い効果が得られます。

麻酔が十分に効いているかを確認してから抜歯を開始します。個人差はありますが、個人差はありますが、できる限り痛みを感じにくいよう麻酔を調整するよう努めています。処置中に痛みを感じた場合は遠慮なく合図をしていただければ、追加の麻酔を検討します。

麻酔中に感じること・感じないこと

麻酔が効いた状態では「痛み」の感覚は遮断されますが、「圧力」「振動」「音」は感じます。特に、骨を削る際のドリル音や、歯が揺らされる感触が「なんとなくわかる」という状態は正常です。これを「痛い」と感じる方もいますが、痛みの神経は遮断されているため、怪我をしているわけではありません。

処置中に「怖い」「気分が悪い」と感じたときはすぐにお申し出ください。当院では患者さんのペースを大切にし、途中で休憩を取りながら進めることも可能です。

麻酔が切れるまでの時間と注意点

処置後も麻酔の効果はしばらく続きます。一般的な浸潤麻酔の場合、麻酔薬の種類や本数によって異なりますが、おおむね処置後2〜3時間ほどは麻酔が効いた状態が続きます。

この間は唇や頬の感覚がないため、熱い飲み物で火傷したり、頬の内側を噛んでしまったりしやすい状態にあります。麻酔が切れるまでの間は食事を控え、刺激を避けるよう心がけてください。

抜歯前に知っておきたい:当院のCT確認による安全への配慮

CTでわかること

親知らずの抜歯で最も重要なリスクのひとつが、下顎の神経(下歯槽神経)への影響です。この神経は下唇・あご・歯ぐきの感覚を担っており、傷つくと一時的なしびれや感覚の変化が生じることがあります。

下顎管の近接が確認された場合、CTを用いることで根尖との位置関係を三次元的に精査することができます[5]。二次元のパノラマレントゲンだけでは把握しきれない、前後・奥行きの位置関係まで確認できることが、CTを用いる最大の利点です。

当院では歯科用CTを院内に設置しており、下顎の埋伏した親知らず(骨や歯肉に埋まっている親知らず)の抜歯前には、神経との距離・歯根の形態・周囲の骨の厚みをCTで確認します。これにより、抜歯前に神経との位置関係を把握し、リスクを踏まえた治療計画の立案に努めています(なお、神経への影響リスクがゼロになるわけではありません)。

セカンドオピニオンについて

「他院で抜歯を勧められたが、怖くて踏み出せない」という方も多くいらっしゃいます。当院ではセカンドオピニオンに対応しており、他院のレントゲンや治療計画をお持ちいただいての相談も可能です。「本当に今抜く必要があるのか」「難易度はどの程度か」といった疑問を、改めてCTで確認しながら丁寧に説明します。

また、当院は新心会グループに属しており、グループ全体で総勢100名を超える歯科医師が在籍しています。症例の複雑さに応じて、各分野の専門家がチームとして関わることで、一人の担当医だけでなく複数の視点で治療方針を検討できる体制を整えています。

「怖い」という気持ちをそのまま伝えてください

治療に恐怖を感じることは、医療者にとっても重要な情報です。「怖い」とお伝えいただくことで、処置のスピード調整・説明の細かさ・休憩の入れ方などを柔軟に変えることができます。

当院の診療理念は「常に患者様を第一に考え、丁寧な説明を心掛け、患者様と真摯に向き合う診療を提供する」こと。「診察台に座ってから気持ちが変わってしまいそうで怖い」という方でも、まず状態を確認するだけの来院から始めていただけます。

まとめ

  • 「怖い」は正常な感情です。 疫学研究によると、強い歯科恐怖を持つ人は一般集団の平均約12%にのぼると報告されており[1]、多くの方が同様の不安を抱えています。「自分だけ特別に怖がり」ではありません。
  • 親知らずは必ずしも全員が抜く必要はありません。 日本口腔外科学会によると、正常に生えて機能している場合は抜歯しなくてよいケースもあります[2]。状態の確認が先決です。
  • 抜歯当日の痛みは麻酔でできる限り緩和します。 表面麻酔→浸潤麻酔(または伝達麻酔)の段階的なアプローチにより、個人差はありますが処置中の痛みの軽減に努めています。処置中に痛みを感じた場合は追加麻酔をかけることができます。
  • 術後は2〜3日が腫れのピーク、1週間程度で多くは改善します。 大阪歯科大学附属病院の口腔外科によると「当日から2〜3日をピークに痛みと腫れを生じるが、多くは1週間程度で改善する」[3]とされています。
  • 当院では院内CTで神経との位置関係を事前確認します。 埋伏した親知らずの場合はCT撮影を行い、リスクを踏まえた抜歯計画の立案に努めています。セカンドオピニオンにも対応しています。

「抜いた方がいいと言われたけど怖くて踏み出せない」という方、まずCT撮影で状態を確認しませんか。どのような状態なのか、抜く必要があるのか、難易度はどの程度なのかを丁寧にご説明します。JR八王子駅南口すぐの「八王子I’S歯科・矯正歯科」は年中無休でご相談をお受けしています。平日は20時まで、土日祝も診療を行っておりますので、仕事帰りやお休みの日にもご来院いただけます。お電話またはウェブサイトよりご予約・お問い合わせください。

はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。

参考文献

  • 歯科恐怖を知る─疫学と原因─(PDF)(J-STAGE(日本歯科心身医学会雑誌)) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsd/34/1-2/34_5/_pdf
  • 「親知らず」について|口腔外科相談室|日本口腔外科学会(公益社団法人 日本口腔外科学会) https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/ha/oyashirazu/
  • 口腔外科 | 大阪歯科大学附属病院(大阪歯科大学附属病院) https://www.osaka-dent.ac.jp/hospital/koku.html

[1] 苅部洋行「歯科恐怖を知る—疫学と原因—」日本歯科心身医学会雑誌 34巻1-2号 p.5-9(J-STAGE公開: 2022年)jstage.jst.go.jp

[2] 公益社団法人 日本口腔外科学会「『親知らず』について」jsoms.or.jp

[3] 大阪歯科大学附属病院「口腔外科」osaka-dent.ac.jp

[5] 札幌医科大学医学部口腔外科学講座「親知らず」web.sapmed.ac.jp

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八王子I'S歯科・矯正歯科では、痛みや不快感を抑えた治療を提供し、虫歯・歯周病・根管治療から、インプラントや審美歯科まで幅広く対応しています。

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